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6
「此方へ来い・・・キャロル。」
ファラオがキャロルを連れて褥へ入る。
寝台の前にキャロルを立たせて優しく接吻すると、キャロルの身を飾る宝飾品や衣を全て外し
、生まれたままの姿になった少女を褥に横たえる。
それから自らの身を飾る物も全て外した。最後に王冠まで外し、同じように生まれたままの姿になる。
キャロルの横に身を伸ばし、後ろから白い肢体を腕の中に包む。
「ふふ・・・まるで匙を重ねたようだな・・・ぴったりと重なって隙間が無い。良い気持ちだ・・・」
「そうね・・・暖かくて気持ちいいわ・・・」
暫く二人でじっとしていたが、やがてキャロルが身動きした。
「どうした?」
「・・・・・貴方の顔を見せて。」
白い肩が反転して、少し離れたところから、青い眼差しが黒い瞳を見ている。
「・・・・・どうして冠まで外したの?・・・大事なものでしょう?」
腕を伸ばし、床頭台の王冠を取ろうとした肢体は仰向けに押し倒された。
「今はただの男だ・・・このまま・・・」
白い胸に顔を埋めて呟くと、柔らかなふくらみを撫でる。
キャロルの腕が動いて、優しく男の肩を抱いた。
「有り難う・・・あの二人を解放してくれて・・・」
「何時までも何を気にしている。私が勝手にしたことだ。」
「でも・・・」
「今は只の男として、只の女のお前が欲しい。男としてお前を愛すれば、お前は私を愛するか?」
「・・・・・始めて逢ったときからそうなら、もしかしたら・・・」
「仮定など意味は無い。」
「・・・・・お前は自由だと言われた時・・・どうして良いか分からなくなったの。まるで飛ぶことを忘れてしまったような、
止まる枝を失くしたような・・・不安で堪らなくなったの。庭を彷徨って貴方を見た時、貴方しか見えなくなった。
ほかの事を全て忘れてしまって・・・貴方の傍に居たいって・・・でもこれが貴方を愛しているということなのかしら。
分からないの・・・」
メンフィスがキャロルに口付ける。
「私はお前を愛している。だから傍に置きたいと思った。お前は私の傍に居たいと思った。嫌ならそうは思うまい。
・・・・・決まりだな。お前は私を愛している。」
「・・・そんな簡単に決めていいの?」
相手を好きになるのに簡単も難しいもあるか。『愛している』それだけで良い。」
「でも・・・・・」
「お前は何の力も財も無いと申したな。だが忘れていないか?私が欲しいのは『キャロル』だけだ。
その身ひとつのお前だけだ。他には何も要らぬ。」
「メンフィス・・・私、貴方の傍にいて良いの?」
「お前が居ないとどうして良いか分からぬ。こんな気持ちになったのは初めてだ。お前に此処に居て欲しいのだ。」
「メンフィス・・・」
涙が流れた。静かに泣きながら逞しい肩にしがみ付いてくる。
「・・・・・の・・・」
「・・・・・なんだ・・・・・?」
「傍に居たいの・・・傍に置いて・・・貴方が好きなの・・・愛しているの・・・・・・ああ、やっと言えたわ。・・・・・やっと・・・」
「キャロル・・・」
そのまま深い口付けを交わし、お互いの暖かさに溺れて行く。
メンフィスの唇が白い肌を滑ってくる。首筋から胸へゆっくりたどってくると、一度止まって鎖骨の窪みに赤い印をつけた。
「これはお前が私のものだという印だ。誰にでも分かるようにな。」
それから胸の頂を咥える。甘く噛み、舌で突き、転がして吸い上げる。
キャロルが切ない声を上げて悶える。
「ああ・・・・・ああ・・・・・あはぁ・・・んん・・・」
もう片方、同じように唇と舌で愛撫しながら、白い肌をゆっくり優しく撫でる。肩、腕から手首、わきの下からくびれた腰、
細い足首から滑らかな臑、膝の内側からしっとりした太腿。
男の舌が臍の窪みを擽り、徐々に体が下に下がってくる。掌は一度太腿を撫でた後、また下がって足首を掴んだ。
ゆっくりと持ち上げ、膝を胸に押し付けて開かせた。
「あっい・いやっ・・・こんな格好・・・放して」
「何がだ?お前は何処もかしこも美しい・・・」
うっとりと言うと太腿の内側に左右両方花びらを散らす。唇が触れたとたん、キャロルが震えた。
「あっ・・・ああっ・・・」
そのまま女の花園に向かって肌の上を滑らせる。二つの花びらを擽り、舌で亀裂をゆっくりと開く。隠れていた宝珠を探り出してゆっくり舐める。
「あっ・ああっ・・・・あああっ・うっ・こんなっ・あっ・こんな・・・」
泉の縁を突かれる。花びらを咥えて嘗め回される。唾液と蜜が交じり合って尻を伝って流れ、後ろの花びらまで濡らして褥へと流れ落ちる。
しとどに濡れた秘密の花園は、何時かキャロルの理性を奪い、快楽の本能を呼び覚ます。
そして悲鳴は甘い艶を纏って男を狂わせる。
やがて足を閉じようとする抵抗は無くなり、自ら腰を振ってよがり声を上げる。気付いたメンフィスが喉の奥で笑い、唇を離すと指を挿れた。
「あああっ・あうっ・いいっ・んっ。くうっ」
「随分と感じているようだな・・・そんなに好いのか?」
キャロルが必死に頷く
「ああっ・い・いいの・いいのっ・あ・くううっ・くくうっ」
「私だからか?」
「ああっ・そっ・そうよ・あなたの・せい・よ・あなた・にあああっ・くっ・」
「わたしに・・・なんだ?」
「ああああっ・わ・分かってるの・に」
「申せ・・・・・キャロル・・・」
「ああうっ・あ・あなた・がすきっ・すきなのっ・ああっく・あいし・て・るのっ・・・あああっ」
「もう一度。」
「あああっく・あ・あいして・・・・あああっ、あいしてるっ・あいしてるのっ・あああ・・・」
それで?」
「そばに・・・くううっ・くうぅ・うあっ・そばに置いて・あっ・あなたの・・・あああっ・あっ・そばに・・・・・っ」
がくりと腰が落ちた。指を引き抜いて薔薇色に染まった肢体を抱きしめる。
「愛している・・・・傍にいろ。傍にいてくれ・・・キャロル・・・」
呼吸を整えたキャロルに覆いかぶさり、口付けながらゆっくり挿入する。
「ああっ・・・あああっ・・・・ああ・・・」
白い身体が悦びに震えている。小鳥がついばむような口付けを交わしながら、やがて二人はゆっくりと動き出す。
「キャロル・・・キャロル・・・キャロル・・・」
「メンフィス・・・メンフィス・・・ああ・・・」
熱くて逞しい、太くて硬い楔がキャロルの内部を貫き、擦り上げ、動いてかき回す。
柔らかく蕩けて、暖かく濡れた内部がメンフィスのものに絡み付いて締め上げる。
「お前が・・・一番だ・・・お前の身も心も・・・ああ・・・」
「メンフィ・・・ス・・・ああ・・・ああ・・・メンフィ・・・ス・・・」
暫くゆっくりと味わい、一度抜いて白い体を反転させる。腰を掴んで持ち上げ、今度は後ろから挿入する。
「キャロル・・・好いであろう?・・・もっと欲しがれ。もっとよがれ。いくらでも呉れてやる・・・もっと、もっとだ・・・」
「あ・・・ああ・・・あ・・・あは・・・・」
突き込んだ己をゆっくり前後させ、かき回すとキャロルの唇から溜息と嬌声が漏れる。
思い切り開かせ、咥えさせた下の唇は戦慄きながら水音を上げ、溢れた蜜がぽたぽたと褥に滴っている。
そしてその蜜に塗れながら泉を出入りする己の熱い肉。
メンフィスの欲望はとどまるところを知らず、理性は振り切れる寸前だ。
肩を褥に押し付け、尻を高く掲げさせ、根元までねじ込むと白い尻が痙攣する。
折れんばかりに背を反らせ、腰を卑猥に振って快楽を求める女の本能。
私がキャロルを変えた。
私が無垢なキャロルを、私だけを貪欲に求めるように教え込んだのだ。
そしてキャロルは私に応えた。今やっと愛していると私に言ったのだ。
一撃突き込むとキャロルの四肢が突っ張った。そのままがくりと褥に倒れ込んで荒い息をつく。
自分自身をずるりと抜き出し、白い身体を仰向けにさせてゆっくりと抱きしめる。
「キャロル・・・・愛している・・・」
「メンフィス・・・」
一度口ごもって視線を彷徨わせ、やがてメンフィスを見つめてはっきり言った。
「愛しているわ。」
深い口付けを交わし、体を入れ替えて引き締まった褐色の体躯に白い肢体を乗せる。
キャロルは暫くじっとしていたが、メンフィスに促されておずおずと体を起こした。
「美しいな・・・・」
「あ・・・・・」
羞恥に頬を染め、それでも自分を誉められた少女が嬉しそうに微笑う。
メンフィスは枕を重ね、上体をやや起こして黄金の髪を撫でる。
「やっと言ってくれたな。本当にお前は強情だ。だが其処が良い。この私に媚びぬお前の心が欲しかった。
本心からの言葉が一番な。」
「メンフィス・・・・」
少女の花のような唇が引き締まった男のそれに重なる。ゆっくりと舌を絡ませ、戯れるようにすり合わせて放すと
メンフィスの瞳がうっとりと輝いていた。
陶酔と欲望。キャロルの意識ははそれに絡め摂られ、操られるように自らメンフィスの上で震えだした。
「キャロル・・・・」
心地よい声が耳に響く。
「「キャロル・・・お前が欲しい・・・」
「・・・貴方が・・・望むなら・・・・」
自らの言葉に酔ったように、舌を使って褐色の肌を滑らせて行く。
ぎこちなく、だがうっとりと一生懸命に。
逞しい胸の突起を咥えると、男の肌がぴくりと引きつる。白い手で筋肉の盛り上がった肩や二の腕や胸を触ると
メンフィスは堪えきれないように溜息を漏らした。
「触られるだけで蕩けそうだ・・・もう我慢できぬ。」
そしてゆっくり腰を掴み、己の怒張に近づける。
キャロルは嫌がるどころか、自ら体を開き、メンフィスが見ている前で熱い楔を濡れた泉に沈めた。
「ああ・・・あ・ああ・・・あああ・・・・・」
男の腹に両手を置き、膝を立て、無意識に腰を揺すって自らの秘所をメンフィスの物に擦り付ける。
ああ・・・ああ・・・・・あああ・・・はあ・・・あ・・・」
「反らした喉から甘い嬌声が滴り落ちている。
駆け上りたいのを我慢して、下から軽く突いてやると、白い腰が撓って色づいた双円がゆれる。
「ああ・あっ・・・くう・・・う・・・あ・・・」
ゆっくり回してやると引きつった声を上げ、仰け反って後ろ手を突いた。
そして目の前に素晴らしい光景が現れる。
ささやかな金褐色の茂みは仰け反ったせいで、明り取りの光を浴びてほのかに輝いている。
花びらは左右に開かれて、飛び出した宝珠が蜜に塗れている。そしてその下の、己の怒張を飲み込み、
蜜を溢れ零しながらひくひく痙攣する泉。
キャロルが切なそうに溜息を落とし、腰を揺すろうとしているのを押さえ込んで、男は指を伸ばした。
ささやかな茂みに指を絡め、感触を試してみる。さりさりと微かな音がしてそれは己の茂みと交わった。
更に指を滑らせ、両の花びらを擦ってみる。上の唇から溜息が零れ、蜜が湧き出してくる。
指で掬って塗りつけ、何度も擦ってやるとひくひく痙攣した。
そして宝珠。
「お前は此処にも宝石を持っているのだな。碧玉の瞳と、黄金の髪と、真珠の肌と、珊瑚の唇と、紅玉髄の此処と・・・・」
言いながら片手を伸ばし、不意に胸の頂を摘み上げる。
「ひゃうっ・ああっ・・・」
キャロルが身をくねらせる。下の唇が締まる。
そのまま、上の頂と下の宝珠を同時に摘み上げてやると、白い肌が震えて淫らな踊りを踊りだす。
「ああっ・あっ・あふうっ・・・はぅ・う・あう・うう・あううん・ああっ・あああっ」
胸を揺らし、腰を振り、尻を上下させ、内部を擦り付ける。
「・・・・・くっ・・・・・っう・・・」
メンフィスが呻く。
「駄目だ・・・未だ・・・」
言いながら体を起こし、胡坐をかいてキャロルの白い体を抱きしめて猛然と突き上げる。
「ああっ・ああいっ・あい・愛してるっ・愛してるっ・いいのっ・いいのっ!」
キャロルが口走りながらしがみ付いて腰を振る。
お互いの肌がぶつかる音と高い水音。それすら耳に入らず、二人は狂う。
腕を解いてやると仰け反った肢体が仰向けに褥に倒れ、唇を戦慄かせて快楽にのたうつ。
メンフィスの目の前には再び素晴らしい光景が広がる。
「好い眺めだ・・・キャロル・・・全て見せてくれ。お前を・・・・」
言いながら腰を掴み上げ、己の楔を根元まで打ち込む。
キャロルが悲鳴を上げながら身を反らす。背が宙に浮いてメンフィスの与える快楽が背骨を伝って頭まで突き抜ける
「ああ――っ!!ああっ・ひいぃっ・いいっ・いいのっ・も・だめっ・も・いくうっ・いくうっ!」
キャロル・・・・キャロル・・・・・ッ」
徐々に速度を上げて突き上げ、最後の力を振り絞って胸の頂と宝珠を掴み上げる。
「あ――――――――っ!!・・・・・っ!」
「ああ・・・っ・キャロルッ・・・・くっ・・・・・!」
感じすぎたキャロルは声にならない悲鳴を上げ、メンフィスが歓喜の声を上げる。
そして二人は目も眩む快感と共に果てた。
翌朝、ファラオの腕の中の少女を見た女官長は心からの笑顔を見せた。
分かっておりますとファラオに目だけで答え、携えてきた衣装箱を開ける。
ファラオと、ファラオが選んだ少女の衣が調えられていた。
少女はやがて王妃となった。
そして二度と家族の元へ帰らず、ファラオと共にその命を終え、二人共にイアルの野へ旅立って行った。
END
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